RumiCar シミュレータ v7.7.0 を公開しました。リリースノートは GitHub でも読めます。
v7.7.0
車両に「制動装置」の任意装備を追加しました (精密 v2 エンジン専用・既定のままなら従来と完全に同じ)。実機 RumiCar のブレーキは駆動モーターの逆トルクだけなので、これまでは FR 車で後輪だけがロックし、前輪は自由に転がったままでした。実測すると (フルスケール・40m/s から 2m/s まで) 停止距離は FR 138.97m / FF 88.11m / AWD 65.85m と、同じ車重・同じタイヤなのに駆動方式だけで 2 倍以上違います。新しい〈4輪摩擦ブレーキ〉を選ぶと、同じ総制動力を前後配分 (既定は前60%/後40%・前寄り 75/25・後寄り 45/55 の 3 択) で 4 輪へ配るようになり、FR の停止距離は 138.97m→63.40m と 54% 短くなります。AWD はほとんど変わりません (0.2%) — モーターブレーキでも既に 4 輪へ配られているからで、この装備が効くのは「制動が掛からない輪がある」車です。ロックは車輪の回転を解く方程式から創発します (コードにロック閾値は 1 つもありません)。配分を前45%→60%→75% と上げると、前輪ロック率が 0.52→0.76→0.84 と単調に増え、後輪ロック率は 0.68→0.36→0.00 と単調に減ります。直線では 3 種の配分にほとんど差が出ません — 制動指令 (4.013g) がタイヤ容量 (1.40g) の 2.87 倍あり、どう配っても全輪が飽和するためです。配分が効くのは旋回中です。コーナー内で踏む「トレイルブレーキ」を、半径・進入速度・制動時間・路面μ・舵の型を振った2つの独立な格子 (54セルと288セル) で測りました。言えること①: FR の後軸ロックは必ず減ります (平均 0.800→0.210 と 0.662→0.123・342セル中 増えたセルは 0)。②: FR の旋回復帰は 1 セルも悪化しません (戻れたセルが 13→39 と 88→200・得 138 / 失 0)。③: FF は逆に後軸ロックが増えます (0.000→0.320) — モーターブレーキの FF は後輪に制動が一切掛からないので、4輪化すれば必ず増えます。常に安全になる装備ではありません。言えないこと: 横滑り角のピークが下がること — 平均は下がります (FR 55.1°→22.7°) が、セル単位では増える所があり (格子1で9/54・格子2で54/288)、これは法則ではなく連続量の記録です。⚠ 効果は領域で符号が変わります — フルスケールでは FR の制動が 2.11 倍強くなるのに、卓上/中スケールでは 0.77 倍と弱くなります。原因は領域そのものではなく、卓上/中スケールで有効な車輪 ODE の半陰的化(高速化のための近似)がタイヤ剛性に安全側(過大)の値を使い、指令より小さい力しか路面へ届かないためです (既定のモーターブレーキでも同じで実力/指令 0.59、4 輪へ配ると 0.43)。半陰的化を通らない条件では 0.96〜2.11 倍で、悪化しても 4% 以内です。FF と 4WD は旋回復帰を失うセルがあります (288 セルで FF 283→270・4WD 258→251)。1 セルも悪化しないのは FR だけです。ドリフトへの効き方は「速さを失い、頑健さは失わない」でした。 常設のドリフト再検証ゲートを 4輪摩擦ブレーキで走らせ直すと、トレイルブレーキ型の頑健性 (進入速度±10% でも崩れない数) は 14/24→15/24 と下がりませんでしたが、速さの優位は 8/8 条件→3/8 条件へ落ち、自由空間に 1 つだけあった「ドリフトの方が速い窓」も閉じました (1/8→0/8)。原因はグリップ走行が速くなったからではありません (乾燥路では 3.53s→3.53s と完全に不変・低μでは僅かに悪化) — ドリフト側が全 8 条件で遅くなったためで、これは「トレイルブレーキ型の優位は FR の後軸ロックを前提にした運転から出ている」という以前の推測を、装備を替える因果実験として確認したものです。本物のブレーキを積むと、その運転の入口 (リアを破る後軸ロック) が無くなります。常設ゲート (wf_av2_brake.mjs・56 アサート) と実ブラウザゲート (28 項目) で機械検査しており、既定 (モーターブレーキ) では凍結ベンチ f0〜f3・公式レースの verifyHash・既存の共有 URL がすべて不変です。
