RumiCar シミュレータ v7.6.0 を公開しました。リリースノートは GitHub でも読めます。
v7.6.0
コースに「路面種別」を追加しました (精密 v2 エンジン専用・既定のままなら従来と完全に同じ)。コース定義に surface:”loose” と書くと、砂利・ダート・雪のようなルーズ路面になります。ルーズ路面ではタイヤが表層へ潜り、進む先に材料の土手を作って押しのけます (掘り込み)。この力は摩擦ではなく「押しのけた材料の量」で決まるので、滑らせるほど積み上がり、横力が落ちません。舗装路の最適スリップ角が 5〜10° なのにダートでは 20〜30° になるのはこのためで、本シミュレータでもピークが滑り角 8.0° から 22.8° へ移り、大きく滑らせたときの横力/ピーク比が 0.89 (舗装) から 1.19 (ルーズ) になります。これまで路面は grip (ピークの倍率) と muDecay (ピーク後の漸近比) の2つで表していましたが、どちらも「滑るほど落ちる」曲線しか作れませんでした (muDecay は実装で 0.95 にクランプされるため、1.0 と書いても落ちない路面にはなりません)。ドリフトへの効き方は素直ではありませんでした。 低μベンチをルーズ化すると、破綻せずに回れるドリフト走行は 38→202 通り (約5.3倍) に増え、舗装ではどう試しても回れなかったヘアピンが1つ回れるようになりました (この効果は掃引の粗さを変えても 5.3〜5.4 倍で安定しています)。一方、着手時に見込んでいた2つの予想はどちらも確かめられませんでした — ①「ドリフトとグリップ走行の所要時間比が舗装より下がる」は探索の格子を変えると符号が反転し、②「深い滑り (横滑り角 20° 以上) で回れる走り方が増える」は合計では成り立ちません (28→18 通り)。セルごとに増える所と減る所があり、その機序は特定できていません (最小回転半径は判別境界になっていませんでした)。また掘り込みは「滑りやすさ」を作りません — 同じ grip に掘り込みを足せば路面は一様にグリップが上がるので、実在のダートが「滑りやすい」のは grip が低いからです。ダートらしさを出すには grip を下げたうえで surface:”loose” を併用してください。物理の不変条件は1つも壊していません: 力の向きは変えず大きさだけを足すので、定常タイヤ力は常に散逸的なままで、摩擦円 |F| ≤ μ_eff·Fz も構造的に保証されます。常設ゲート (wf_av1_loose.mjs・39 アサート) と実ブラウザゲート (25 項目) で機械検査しており、既定 (surface 未指定) では凍結ベンチ f0〜f3・公式レースの検証ハッシュとも 1 ビットも変わりません。なお HUD の「摩擦円使用率」は正規化スリップをそのまま百分率にした表示なので、ルーズ路面では最大グリップ点が 300% と出ます (表示層だけの話で物理は不変)。あわせて、これまで📐コースデータ仕様に載っていなかった muDecay の説明を補い、物理モデル解説の節の並び順 (13.14 が索引の後ろに入っていた) を直しました。
