RumiCar シミュレータ v8.2.0 を公開しました。リリースノートは GitHub でも読めます。
v8.2.0
「ドリフトでなければ曲がれないコーナー」を舵角の下限から逆算して作り、そこで本当に滑れば通れるのかを測りました (Stage AY・卓上×精密v2エンジン・走行物理は無改変)。効いているのは 1 本の不等式です — 廊下の外径 R_out が最小旋回半径 R_min を下回ると、舵では原理的に曲がれません。R_min =「ホイールベース÷tan(最大舵角)」は速度に依存しない運動学的な下限で、卓上では 0.2920m (= 0.130m ÷ tan24°) です。出荷の峠 20 コーナーと派生峠 60 コーナーには、この条件に当てはまるコーナーは 1 本もありません (いちばん際どいもので分母 R_min の 1.086 倍)。∴ これまでドリフトが必須な領域が出てこなかったのは「勝てなかった」のではなく 「勝てる舞台が無かった」 のでした。そこで舞台を逆算し (外径比 R_out/R_min = 1.02 / 0.95 / 0.856 / 0.80 × 道幅 0.16m / 0.28m = 8 セル・回頭角 180°)、次の 3 点が分かりました。① 「ドリフトが必須」な領域は存在しません — 舵で通れない 12 セルでは、滑る深さを強制して |β| 90°・後軸スリップ角 41° まで滑らせても (内訳は既定路面の 6 セルで 67°/22°、低μの 6 セルで 90°/41°) 廊下から最小 0.0345m はみ出したままで、清潔に回れた解は 0 でした (種を替えても予算を倍にしても同じ)。② 「ドリフトが有利」な領域は、この条件では見つかりませんでした — GO は 8 セル中 0、低μでも 0。ただし「存在しない」とは書きません: 乱数の種を替えると総合時間比が 0.932〜1.168 に散り、しきい値 0.98 を跨ぐからです (比較が成立した 4 行のうち 2 行で速さの条件が裏返ります。主表の種では GO 0、別種は 12 通り中 GO 0 通り・時間比 ≤0.98 が 2 通り)。①は堅く②は堅くないので混ぜないでください。③ 勝ちが出るとしても、それは舵でも通れるセルに限られます — 以前「自由空間に 1 つだけ開いた窓」と書いた R5 のセルも外径比 1.23 で下限を上回っており、「舵でも通れるコーナーで滑らせたほうが 11.9% 速かった」 という意味でした (該当箇所を書き直しました)。舵で通れなくなる境界は 2 本あります: 進入の横位置を選べるなら R_out/R_min = 1.004 (道幅 0.16m) / 1.003 (0.28m)、廊下の真ん中から入るなら 1.073 / 1.174 (後者の解析式は回頭角 180° に固有)。これは点 (後輪軸中心) の経路の話で、車体だともっと厳しくなります — 旋回はみ出し 0.0365m が道幅 0.16m の余地 0.0400m の 91% を食い、車体考慮の比は 8 セルすべてで 1 未満です。このベンチのうち実際の壁として成立する 7 本をコースに追加しました (〔舵角限界ベンチ〕・コース一覧の末尾。外径比 0.80 × 道幅 0.28m の 1 セルは内壁半径が負になるため除外)。追加時の実測で既定 3 サンプルの完走は 7 本合計 1/21 です (エンジンは卓上の既定=動力学モデル。精密 v2 なら 0/21)。設計上通れないので、この 7 本はチャレンジの完走バッジの母集団からは外してあります (バッジの分母は追加前と同じままです)。まだ測っていないのは切り返し (多点旋回) の線で、ここを通す手があるとすればそれです。常設ゲート wf_ay1_rmin_bench.mjs (37 アサート) と library wf_drift_opt.mjs を新設し、ゲート総数は 62 になりました。
